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大井川 宏之
Journal of Nuclear Science and Technology, 28(11), p.1058 - 1060, 1991/11
金属燃料高速炉におけるUのドップラー効果に対する高エネルギー中性子の寄与を計算により評価した。日本で高速炉の設計に標準的に使われいる群定数セットJFS-3-J2には40.9keV以上のエネルギー領域でUの共鳴が無視されているが、スペクトルが硬い金属燃料高速炉では40.9keV以上の中性子によるUのドップラー効果が大きな寄与を持つと考えられる。そこで、燃料温度の変化によるUの捕獲反応断面積のドップラー効果による変化を高エネルギー領域に外挿することにより、40.9keV以上の寄与を計算した。その結果、金属燃料高速炉では約20%以上の寄与があり、酸化物の場合の約4倍の効果があることが判った。この効果をFCAにおけるドップラー反応度測定の解析に適用したところ、金属燃料高速炉模擬炉心であるXVI-1炉心で、C/Eが0.62から0.82に改善された。この効果は酸化物炉心の場合のC/E=0.85~0.99も改善の方向へ向かわせる。
飯島 勉
JAERI-M 6063, 19 Pages, 1975/03
FCA VI-1炉心の密度係数を用いて大型高速炉の臨界性を予測する場合の精度、適周性等について検討した結果の報告である。密度係数法は臨界実験を行なう体系において炉心構成物質の密度係数を測定して、組成、体積の異なる炉心の臨界性を実験値にもとづく外挿により求めようとする方法である。これは組成外挿と体積外挿の2つのステップに分けられる。組成外挿については、-30%k/k以上の大きな組成変化に対しても0.3%k程度の精度で臨界性が外挿予測出来ることが示された。体積外挿についても2倍程度の体積変化に対しては問題がなく、6倍以上も大きい炉心に対しても実用的な精度で外挿出来ることが示された。これらのことは、Na冷却大型高速炉に関するかぎりほとんどすべての炉心の臨界性は、VI-1炉心から外挿可能であることを示している。